人間 -
den 30.05.2005 edit
日記を読み返すと、自分が救いようのないほど暗い人間のような気がして大変滅入る。と同時に、これは抗いがたい気質の問題なのだから悩んだところで何も変わらないのだとも了解している。
事実はどうだろうか。己はむしろ快活である。と、少なくともそう自負している。愛嬌というものに対して見切りをつきたつもりでいるものの、実際には、つい、うっかりというかたちで笑顔と饒舌を安売りしているのだ。哀れむべきは、悲観的本質なのではなくて、楽天的建前のほうだろう。
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事実はどうだろうか。己はむしろ快活である。と、少なくともそう自負している。愛嬌というものに対して見切りをつきたつもりでいるものの、実際には、つい、うっかりというかたちで笑顔と饒舌を安売りしているのだ。哀れむべきは、悲観的本質なのではなくて、楽天的建前のほうだろう。
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原罪★ -
den 29.05.2005 edit
友人を選ぶ際には課しているあの高い基準を、女の場合にはこれほども適用していないことが、自分には甚だ問題に思えてきた。まったく、理性は本能に追随する言い訳に過ぎないのだ。
思うに賢者が愚婦を連れて帰る場合は多い。肩にのしかかる重い責務から脱するために、女を天使の如く扱って、それを「ロマンチックだ」と信じようとする。しかし、この中心を欠いた嘘は、調和も衝突もできない焦燥感(行人)を彼の心に生み出し、生涯に渡って死に至るまで、取り戻すことのできない罪――なるほどこれで「人間らしくなる」と新キリスト教者は喜ぶだろうが――を犯した決定的証拠となってしまうのだ。
一夫一妻制が自然の摂理に反しているのは言うまでもない。市民社会の礎?ならば市民社会が誤解なのだ。
思うに賢者が愚婦を連れて帰る場合は多い。肩にのしかかる重い責務から脱するために、女を天使の如く扱って、それを「ロマンチックだ」と信じようとする。しかし、この中心を欠いた嘘は、調和も衝突もできない焦燥感(行人)を彼の心に生み出し、生涯に渡って死に至るまで、取り戻すことのできない罪――なるほどこれで「人間らしくなる」と新キリスト教者は喜ぶだろうが――を犯した決定的証拠となってしまうのだ。
一夫一妻制が自然の摂理に反しているのは言うまでもない。市民社会の礎?ならば市民社会が誤解なのだ。
客観の事実 -
den 28.05.2005 edit
感性を信じない人間は不毛なのだ。連中は天性の心より世俗の噂を追う。そうして積み上げたガラクタを事実と呼ぶ。だが、形而下主義の無明者どもよ、なんじらの道は、永遠にそこには到達せぬ!・・・・・・光と目的と生命とを欠落しているが故に。
根拠 -
den 25.05.2005 edit
高級官僚のたまごという人物と日中関係について議論をしてしまった。ほんとうは、どっちでもよかったのだけれど、「主権国家」とか「歴史認識」という敏感なボキャブラリーを彼女が頻繁に使うので、いつの間にか自分は中国側の弁解にまわっていた。(議論というものがつくづく無駄だと思うのは、自分が信じてもいない結論のために人の説得を試みるからである)
そして結果的に、僕は議論に負けた。おそらく数年ぶりに・・・?
考えが間違っていたわけではないし、自信が足らぬわけでもない。彼女の意見はほとんど見え透けていた――にもかかわらず、論証の技術という面において、僕は自分の結論をどういうふうに説明すればよいのか、わからなかった。根拠を失っていた。
でも不思議と、悔しさや怒りはわかない。夜眠る時分になってその理由を考えた。
____
1 僕は論拠を忘れた。
2 しかし変わらぬ結論を抱いている。
3 相手の意見はしっかり理解している。
つまり、論拠なぞ必要ではなくなったのだ!様々な経験や思索によって導かれた結論の裏には然るべき多くの根拠や事例が在るのだが、それらは今やこのからだの血や肉になって、もはや忘却し得る段階まで僕の思想に融合したのである。
一歩前へ進んだ気がした。大切なのは、ひとを口で説得することよりも、自分が心から納得することなのだ。
そして結果的に、僕は議論に負けた。おそらく数年ぶりに・・・?
考えが間違っていたわけではないし、自信が足らぬわけでもない。彼女の意見はほとんど見え透けていた――にもかかわらず、論証の技術という面において、僕は自分の結論をどういうふうに説明すればよいのか、わからなかった。根拠を失っていた。
でも不思議と、悔しさや怒りはわかない。夜眠る時分になってその理由を考えた。
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1 僕は論拠を忘れた。
2 しかし変わらぬ結論を抱いている。
3 相手の意見はしっかり理解している。
つまり、論拠なぞ必要ではなくなったのだ!様々な経験や思索によって導かれた結論の裏には然るべき多くの根拠や事例が在るのだが、それらは今やこのからだの血や肉になって、もはや忘却し得る段階まで僕の思想に融合したのである。
一歩前へ進んだ気がした。大切なのは、ひとを口で説得することよりも、自分が心から納得することなのだ。
マネ -
den 21.05.2005 edit
マネの画集を眺めていたところ面白い文章が載っていた。曰く、「本来目にみえず現象の彼方に存在すると考えられる絶対的にして唯一の美の追求こそ芸術の目的である。個別性や偶然性を捨象して、理想の形式美に到達すべく努めねばならぬ。(中略)形式はつねに現実から養分を吸いあげなければ涸れ果ててしまうものである。現実に畏敬と親近の感情を覚える」と。ふむふむ――でも、逆に現実至上主義が形式化されたりして。
