最後の砦 -
den 30.08.2005 edit
いかなるものも僕を屈服させることはできない。地位も金も知識も名声も常識も経験も契約も歴史も国家も暴力も、そして恋も、僕を変えることはできない。なぜなら――僕は、ただ美しいもののために、自分の生と死を捧げようと思っているから。その点において、僕は、永遠に自分を裏切らない。
「自分の尊いいのちをふりすてるほど
私を愛してくれるのは誰だろう?
私のために海におぼれて死ぬものがあれば
私は石から救いだされて
ふたたびいのちへ いのちへ立ち帰ってゆくのだ
私はそんなにも騒《さわ》ぐ血にあこがれている
石はあまりにも静かだ
私はいのちを夢みる 生きることは楽しいもの
だれひとり私をよみがえらせてくれる
勇気のあるものはいないのか?
それにしても いつか私がもっとも自分に貴重なものを
さずけてくれる生命のなかによみがえるとしたら……
……………………………
私はひとりで泣くだろう
私の石を求めて泣くだろう
私の血が たとえぶどうのようにうれたとて なんになろう!
その血は私をいちばん愛してくれたものを
海のなかから呼びもどすことはできないのだ」
リルケ*立像の歌
「自分の尊いいのちをふりすてるほど
私を愛してくれるのは誰だろう?
私のために海におぼれて死ぬものがあれば
私は石から救いだされて
ふたたびいのちへ いのちへ立ち帰ってゆくのだ
私はそんなにも騒《さわ》ぐ血にあこがれている
石はあまりにも静かだ
私はいのちを夢みる 生きることは楽しいもの
だれひとり私をよみがえらせてくれる
勇気のあるものはいないのか?
それにしても いつか私がもっとも自分に貴重なものを
さずけてくれる生命のなかによみがえるとしたら……
……………………………
私はひとりで泣くだろう
私の石を求めて泣くだろう
私の血が たとえぶどうのようにうれたとて なんになろう!
その血は私をいちばん愛してくれたものを
海のなかから呼びもどすことはできないのだ」
リルケ*立像の歌
ツァラトストラの言葉から -
den 30.08.2005 edit
なんじらは高揚せられんことを願望して、上を見上げる。われらは高揚せられてあるが故に、下を見下ろす。なんじらのうちの何人が哄笑し、かつ高揚せられてあるものぞ?最高の嶺に登れる者は、一切の悲劇を笑う。また一切の悲運を笑う。
* *
*
われは勇気ある者を愛する。さあれ、ただ剣となつて斬るのみでは足らぬのである。――よく敵手を見、その何人を斬るかを知らねばならぬ!より価ある敵に当らんがために自らの力を惜しみ、忍び去る。――この事の中には、しばしばより大いなる勇気がある!
* *
*
なんじらはわれより逃れ去るのか?なんじらは驚愕したのか?わが言葉に戦慄するのか?
おヽ、同胞よ、なんじらに善き者とその表とを破壊すべく命じたとき、――ここにはじめて、われは人類を船に積み、沖のかなたへと船出せしめた。
ここにはじめて――、人類は大いなる畏怖を覚え、己が周囲を大きく展望し、大いなる病と大いなる嘔吐を得、大いなる船暈を味つた。
善き者はなんじらに、虚妄の海洋と虚妄の安全を教えた。なんじらは善き者の虚偽の中に生まれ、匿された。すべては善き者によつて、その根柢まで欺かれ、曲げられた。
ここに、陸地「人間」を発見したものは、また陸地「人類の未来」をも発見した。――いまや、なんじら水夫たれよ。勇敢にしてよく堅忍する水夫たれよ。
おヽわが同胞よ、はやくよりまさしく歩めよ!まさしく歩む術を学べよ!――海は荒れている。多くの人間が、なんじらによつて、ふたたび立ち直らんことを願つている。
海は荒れている。すべては海の中にある。いざ、立て!なんじら懐かしき水夫の心よ!
父祖の国が何するものぞ!われらの舵は、かなたへ――われらの子孫の国へとむかう!かなたへ――、暴風雨の中に、海よりも踊りながら――、われらの大いなる憧憬は荒れ行く!
* *
*
* *
*
われは勇気ある者を愛する。さあれ、ただ剣となつて斬るのみでは足らぬのである。――よく敵手を見、その何人を斬るかを知らねばならぬ!より価ある敵に当らんがために自らの力を惜しみ、忍び去る。――この事の中には、しばしばより大いなる勇気がある!
* *
*
なんじらはわれより逃れ去るのか?なんじらは驚愕したのか?わが言葉に戦慄するのか?
おヽ、同胞よ、なんじらに善き者とその表とを破壊すべく命じたとき、――ここにはじめて、われは人類を船に積み、沖のかなたへと船出せしめた。
ここにはじめて――、人類は大いなる畏怖を覚え、己が周囲を大きく展望し、大いなる病と大いなる嘔吐を得、大いなる船暈を味つた。
善き者はなんじらに、虚妄の海洋と虚妄の安全を教えた。なんじらは善き者の虚偽の中に生まれ、匿された。すべては善き者によつて、その根柢まで欺かれ、曲げられた。
ここに、陸地「人間」を発見したものは、また陸地「人類の未来」をも発見した。――いまや、なんじら水夫たれよ。勇敢にしてよく堅忍する水夫たれよ。
おヽわが同胞よ、はやくよりまさしく歩めよ!まさしく歩む術を学べよ!――海は荒れている。多くの人間が、なんじらによつて、ふたたび立ち直らんことを願つている。
海は荒れている。すべては海の中にある。いざ、立て!なんじら懐かしき水夫の心よ!
父祖の国が何するものぞ!われらの舵は、かなたへ――われらの子孫の国へとむかう!かなたへ――、暴風雨の中に、海よりも踊りながら――、われらの大いなる憧憬は荒れ行く!
* *
*
