言語野の柔軟体操 -
僕が中国色全開なので妻とけんかになることが多々ある。それは中国のプロジェクトを手がけ、中国政府と渡り合っているという仕事の話だけに限らず、メンタリティとしての一般生活の細部にわたる態度の違いに対する彼女の(と思いたい)いらだちだ。でも僕の経験上、中国人モードのほうが仕事ははかどる。今までのパターンとしては中国モードで山場を切り抜け、その後数週間あるいは数ヶ月日本モードで休息を取ってきた。どっちでもいいのだけれど、モードを切り替えるのはしんどい。毎日できることではない。
それは週末の使い方にも言えることで、週末なるべく日本語のテクストを読まないようにしている。あるいは日本語で深い議論しないようにしている。軽い日常会話はともかく、いったんモードが日本側に偏ると、月曜日の英語の仕事が気乗りしなくなる。気乗りしないと積極性が落ちて物事が滞る。
もっと若い時は瞬時に言語のチャンネルを変えられたけど、それは喋る内容の重さに比例して難しくなる。今の僕は「どれでもいいけど、ひとつの言語、ひとつの価値体系でいさせてくれ」と強く懇願している。まあ、それも筋トレのようなもので、ふんばって真剣に脳を回転させれば、だんだんスイッチ自体が楽々に切り替わるようになるのだろうか。筋トレというよりは柔軟体操だな。そうだ、僕は身体がかたすぎるのだ。
den 30.04.2009 edit
僕が中国色全開なので妻とけんかになることが多々ある。それは中国のプロジェクトを手がけ、中国政府と渡り合っているという仕事の話だけに限らず、メンタリティとしての一般生活の細部にわたる態度の違いに対する彼女の(と思いたい)いらだちだ。でも僕の経験上、中国人モードのほうが仕事ははかどる。今までのパターンとしては中国モードで山場を切り抜け、その後数週間あるいは数ヶ月日本モードで休息を取ってきた。どっちでもいいのだけれど、モードを切り替えるのはしんどい。毎日できることではない。
それは週末の使い方にも言えることで、週末なるべく日本語のテクストを読まないようにしている。あるいは日本語で深い議論しないようにしている。軽い日常会話はともかく、いったんモードが日本側に偏ると、月曜日の英語の仕事が気乗りしなくなる。気乗りしないと積極性が落ちて物事が滞る。
もっと若い時は瞬時に言語のチャンネルを変えられたけど、それは喋る内容の重さに比例して難しくなる。今の僕は「どれでもいいけど、ひとつの言語、ひとつの価値体系でいさせてくれ」と強く懇願している。まあ、それも筋トレのようなもので、ふんばって真剣に脳を回転させれば、だんだんスイッチ自体が楽々に切り替わるようになるのだろうか。筋トレというよりは柔軟体操だな。そうだ、僕は身体がかたすぎるのだ。
いざ戦場へ -
陰鬱な先々週からは一転して今週は存分に生命を謳歌した。仕事にも励んだし、遊びも抜け目なく楽しんだ。
まず土曜日は朝ジムに行って、コミュナルガーデンでピクニック。友人と合流してスカッシュ、そして夜はみんなでディナー&フィルム。日曜日はミニでオックスフォードに遠足した。月曜日は、仕事を午前中さぼって夕方から建築基金会の方で中華街改造プロジェクトに関する会議をした。火曜日はアンティーク書籍屋のキャサリンとランチをして、夜は大英博物館のギャラリー・オープニングにレセプションに出た。水曜日は日本大使館の参事官と食事して、夜は日本大使館の現代建築フォーラムという講義&パーティに参加した。木曜日は中国大使館のCouncillor General(No.2)とある舞台演出家とランチをして、夜は若手天才ピアニスト、Lang Langのコンサートにアンドリュー夫妻と出かけた。その日は音楽家も作曲家(指揮者)みんな友達で、アンドリューとフィオナもとても楽しんでくれたようだ。コンサート後深夜のオフィスに戻って皇太子へのレポートを作成。深夜二時までやったが、途中で電気が落ちてすべてパーに・・・。三時に帰宅して睡眠をとり、金曜日は8時からHank、HooperとSloane SquareでBreakfast Meeting、悪化していた関係を改善できた。その後午後の2時までレポートを作り、Box(皇太子の郵便箱) に送信。夜はテムズ川のボート・パーティに出かけた。中国人の映画監督や女優が何人も来るという話だったが、結局は留学生の集まりだった。
活発に動いている。日々何十通も来るメールは、見た瞬間に返事をするというポリシーで対処し、国際電話でも英語の電話でも積極的にこちらからかけて、次々を決断をする。中国語では「練兵」というが、仕事っていうのは要するに「練兵」と「戦争」の繰り返しなんだろう。
den 25.04.2009 edit
陰鬱な先々週からは一転して今週は存分に生命を謳歌した。仕事にも励んだし、遊びも抜け目なく楽しんだ。
まず土曜日は朝ジムに行って、コミュナルガーデンでピクニック。友人と合流してスカッシュ、そして夜はみんなでディナー&フィルム。日曜日はミニでオックスフォードに遠足した。月曜日は、仕事を午前中さぼって夕方から建築基金会の方で中華街改造プロジェクトに関する会議をした。火曜日はアンティーク書籍屋のキャサリンとランチをして、夜は大英博物館のギャラリー・オープニングにレセプションに出た。水曜日は日本大使館の参事官と食事して、夜は日本大使館の現代建築フォーラムという講義&パーティに参加した。木曜日は中国大使館のCouncillor General(No.2)とある舞台演出家とランチをして、夜は若手天才ピアニスト、Lang Langのコンサートにアンドリュー夫妻と出かけた。その日は音楽家も作曲家(指揮者)みんな友達で、アンドリューとフィオナもとても楽しんでくれたようだ。コンサート後深夜のオフィスに戻って皇太子へのレポートを作成。深夜二時までやったが、途中で電気が落ちてすべてパーに・・・。三時に帰宅して睡眠をとり、金曜日は8時からHank、HooperとSloane SquareでBreakfast Meeting、悪化していた関係を改善できた。その後午後の2時までレポートを作り、Box(皇太子の郵便箱) に送信。夜はテムズ川のボート・パーティに出かけた。中国人の映画監督や女優が何人も来るという話だったが、結局は留学生の集まりだった。
活発に動いている。日々何十通も来るメールは、見た瞬間に返事をするというポリシーで対処し、国際電話でも英語の電話でも積極的にこちらからかけて、次々を決断をする。中国語では「練兵」というが、仕事っていうのは要するに「練兵」と「戦争」の繰り返しなんだろう。
Reminder! -
- 人類・宇宙の大きな流れを意識して生きること
- 自分の時代と国を愛すること
- 借金をせず、税金はきちんと払うこと
- 小人の小言に悩まされないこと
- 何事でもユーモアな角度をみつけること
- 決して隠れず、堂々と歩むこと
- 小手先の知識ではなく、人間としてのQualityを高めていくこと
- 過去を後悔するよりは未来を信じること
den 18.04.2009 edit
- 人類・宇宙の大きな流れを意識して生きること
- 自分の時代と国を愛すること
- 借金をせず、税金はきちんと払うこと
- 小人の小言に悩まされないこと
- 何事でもユーモアな角度をみつけること
- 決して隠れず、堂々と歩むこと
- 小手先の知識ではなく、人間としてのQualityを高めていくこと
- 過去を後悔するよりは未来を信じること
Strategy -
ここ一週間すっかりぐうたらになってしまった。ほとんど一日もまともに出勤もせず、家でごろごろ昼寝してみたり、くだらないインターネットサーフィンをいつまでもやってみたり・・・。ジムも今週は一度も行かなかった。仕事への興味を失ってしまった。会議をしてもぼーとしているし、同僚ともいまいち盛り上がりきれない。殿下からの手紙が四通も来ているのに、まったく返信を書く気にもならない。かといって遊びきれてもいれず、なにか仕事以外のことに没頭しているわけでもない。とにかく眠い。
まあ、こうして客観的にブログが書ける時点で、もう鬱症状は終わりに差し掛かってるんだろうけど、僕はどうしても「持続する」ということが苦手だ。新しいことを始めるのは至って上手だが、続けれることができない。仕事でも恋愛でも勉強でも、ずっと同じことだった。ゼロからなにかを初めて、人々が驚くような速さで成果を上げ、「効果的に」物事を表現することはできる。だがその「効果」がいったん認められた後に、さらに精進して、極めるところまでは興味が保たない。
小学でピアノを弾き始めたときは将来音大に行くべきだと先生が推してくれた。賞もいろいろ取ったが結局自分からやめてしまった。代わりに琴を弾き始めた当初も、先生はプロへ通ずる道を示してくれた。でもやめた。写真も数ヶ月の間に基本的な技術を身につけて、情熱的に1万枚以上の作品を撮ったが、一度きりの展覧会でそれきりだ。儒学も哲学も、学会に論文を出していいと担当教諭に言われたが、今ではもう完全にすっからかんに忘れている。医学も、国連での仕事も、なにもかもやりかけたまま棄ててしまった。だから僕という人間は、蓄積がなく、薄っぺらい。
よくいえばそれは父から受け継いだアーティストの気質なのだと思う。僕が興味があるのは「効果」であり、「演出」であり、実体そのものではないから。それでいいのかどうかはわからないが、王室での仕事からは、ある意味ですでに達成感を得られてしまった。これ以上ないくらい殿下には寵愛されているし、これ以上接近することは、自分の無能さを暴いてしまうので危険だ。プロジェクトも完璧な戦略を立てたし、あとは一歩一歩実現する段階だ。結婚生活にも斬新なアイディアなんて必要ないし、あとはひたすら持続するのみ。英語もジムも、継続が力だ。
で、斬新なアイディアで創造することは、どこからも求められていないということだ。それが僕を眠りに誘うのだと思う。あとはマネージするだけだ。でもそのマネージが向いていない。マネージするくらいなら、寝てた方がマシだ・・・
そういう自分を変革して総合的に粘り強い男になるべきか、あるいは創造性を最優先して、特技を生かすべきかー すなわち弱点を補うか、強みを生かすか ー どちらが今の自分には向いているんだろう?受験でいえば、70点台の苦手な数学をがんばって80点に上げるべく励むか、85点の得意な国語をさらに極めて95点にあげるか。どちらが合格しやすいか、ということだ。でもそもそも「合格」ってなんだろう。僕はどこに合格しようとしているのか。
den 17.04.2009 edit
ここ一週間すっかりぐうたらになってしまった。ほとんど一日もまともに出勤もせず、家でごろごろ昼寝してみたり、くだらないインターネットサーフィンをいつまでもやってみたり・・・。ジムも今週は一度も行かなかった。仕事への興味を失ってしまった。会議をしてもぼーとしているし、同僚ともいまいち盛り上がりきれない。殿下からの手紙が四通も来ているのに、まったく返信を書く気にもならない。かといって遊びきれてもいれず、なにか仕事以外のことに没頭しているわけでもない。とにかく眠い。
まあ、こうして客観的にブログが書ける時点で、もう鬱症状は終わりに差し掛かってるんだろうけど、僕はどうしても「持続する」ということが苦手だ。新しいことを始めるのは至って上手だが、続けれることができない。仕事でも恋愛でも勉強でも、ずっと同じことだった。ゼロからなにかを初めて、人々が驚くような速さで成果を上げ、「効果的に」物事を表現することはできる。だがその「効果」がいったん認められた後に、さらに精進して、極めるところまでは興味が保たない。
小学でピアノを弾き始めたときは将来音大に行くべきだと先生が推してくれた。賞もいろいろ取ったが結局自分からやめてしまった。代わりに琴を弾き始めた当初も、先生はプロへ通ずる道を示してくれた。でもやめた。写真も数ヶ月の間に基本的な技術を身につけて、情熱的に1万枚以上の作品を撮ったが、一度きりの展覧会でそれきりだ。儒学も哲学も、学会に論文を出していいと担当教諭に言われたが、今ではもう完全にすっからかんに忘れている。医学も、国連での仕事も、なにもかもやりかけたまま棄ててしまった。だから僕という人間は、蓄積がなく、薄っぺらい。
よくいえばそれは父から受け継いだアーティストの気質なのだと思う。僕が興味があるのは「効果」であり、「演出」であり、実体そのものではないから。それでいいのかどうかはわからないが、王室での仕事からは、ある意味ですでに達成感を得られてしまった。これ以上ないくらい殿下には寵愛されているし、これ以上接近することは、自分の無能さを暴いてしまうので危険だ。プロジェクトも完璧な戦略を立てたし、あとは一歩一歩実現する段階だ。結婚生活にも斬新なアイディアなんて必要ないし、あとはひたすら持続するのみ。英語もジムも、継続が力だ。
で、斬新なアイディアで創造することは、どこからも求められていないということだ。それが僕を眠りに誘うのだと思う。あとはマネージするだけだ。でもそのマネージが向いていない。マネージするくらいなら、寝てた方がマシだ・・・
そういう自分を変革して総合的に粘り強い男になるべきか、あるいは創造性を最優先して、特技を生かすべきかー すなわち弱点を補うか、強みを生かすか ー どちらが今の自分には向いているんだろう?受験でいえば、70点台の苦手な数学をがんばって80点に上げるべく励むか、85点の得意な国語をさらに極めて95点にあげるか。どちらが合格しやすいか、ということだ。でもそもそも「合格」ってなんだろう。僕はどこに合格しようとしているのか。
Historic Meeting -

歴史的な会談が実現した。僕の上司であるチャールズ皇太子とG20で来英していた胡錦濤主席、4月2日午後5時30分、ロンドンのマンダリン・オリエンタルホテルにて。いろいろ裏話はあるが、何はともあれ、仕事の一つの成果となった。今だから言えることだが、この会合のために、僕は二週間四川や杭州や上海、北京を出張してまわっていた。そして二日徹夜してBriefingを書き上げ、至急ロンドンへ飛んで戻って皇太子に最新情報を報告した。胡主席との会合は予定時間を大幅に延長しての大成功に終わった。チャールズ皇太子と中国の関係が険悪であったのは有名なことで、「二年前だったら不可能なことだ」とトム伯爵も言っていた。そんな皇太子が、歴史上英国王族として初めて中国の指導者と一時間近くにわたって直接会談した。
これで、ここ数年内に目指していたふたつの大きな目標のうち、ひとつを実現したことになる。次の目標が達成されれば、僕も任務完了といったところだろう。政治と外交の基礎レッスンは、そろそろ終わりかもしれない。
HRH meets with President Hu Jintao of China
Prince and China leader in talks
追記:直に政治家や王族の人たちと仕事をしてみて思うのは、彼らの一挙一動を伝えるマスコミがいかにもいい加減だということ。ニュースの9割は勝手な憶測だ。1割の事実もすっかりすっかりねじ曲げられている。特に悪意とか政略があるわけではないと思うのだけれど、とりあえず売り上げが伸びるほうにドラマ化する。しかも本当の事情も知らないまま各紙そろって真似をするので、民衆はそういうものかと信じるしかない。敢えて知る権利としてのまっとうな選択肢があるとすれば、直に国会議事録を読んだりするしかないのだろう。あとは直接世界を動かす人々と知り合いになり、その一員になることか。
den 03.04.2009 edit

歴史的な会談が実現した。僕の上司であるチャールズ皇太子とG20で来英していた胡錦濤主席、4月2日午後5時30分、ロンドンのマンダリン・オリエンタルホテルにて。いろいろ裏話はあるが、何はともあれ、仕事の一つの成果となった。今だから言えることだが、この会合のために、僕は二週間四川や杭州や上海、北京を出張してまわっていた。そして二日徹夜してBriefingを書き上げ、至急ロンドンへ飛んで戻って皇太子に最新情報を報告した。胡主席との会合は予定時間を大幅に延長しての大成功に終わった。チャールズ皇太子と中国の関係が険悪であったのは有名なことで、「二年前だったら不可能なことだ」とトム伯爵も言っていた。そんな皇太子が、歴史上英国王族として初めて中国の指導者と一時間近くにわたって直接会談した。
これで、ここ数年内に目指していたふたつの大きな目標のうち、ひとつを実現したことになる。次の目標が達成されれば、僕も任務完了といったところだろう。政治と外交の基礎レッスンは、そろそろ終わりかもしれない。
HRH meets with President Hu Jintao of China
Prince and China leader in talks
追記:直に政治家や王族の人たちと仕事をしてみて思うのは、彼らの一挙一動を伝えるマスコミがいかにもいい加減だということ。ニュースの9割は勝手な憶測だ。1割の事実もすっかりすっかりねじ曲げられている。特に悪意とか政略があるわけではないと思うのだけれど、とりあえず売り上げが伸びるほうにドラマ化する。しかも本当の事情も知らないまま各紙そろって真似をするので、民衆はそういうものかと信じるしかない。敢えて知る権利としてのまっとうな選択肢があるとすれば、直に国会議事録を読んだりするしかないのだろう。あとは直接世界を動かす人々と知り合いになり、その一員になることか。